皮膚とは人の全身を覆い、守る臓器である。
皮膚科医は、皮膚を診ることにより、
人の心と体のすべてで起こっていることを知り、
治療するスペシャリストである。
2021年5月1日より、第6代主任教授に就任しました山口由衣と申します。当教室は、神奈川県内の医療の中心として、大学附属2病院のほか、20を超える拠点病院を抱えて常勤派遣しています。高度な臨床力育成と先進的な研究の推進を共に重要視し、教室員の幸せ、輝く教室の発展が、最良の医療につながると考え、教室員は日々いきいきと、充実した毎日を過ごしています。
皮膚科学はとてもダイナミックで奥深い学問です。主に“視診”“触診”で診断し、病理でその診断を確実に、さらに病態のヒントを探ります。皮膚から得た情報から全身性疾患を見つけ出します。皮膚は日常的に外界と接し、人体防御、免疫反応の中心です。皮膚からみる研究のアプローチは数々の疾患の病態解明から新規治療法の開発につながっています。皮膚科医は、皮膚という目に見える疾患に悩む患者の心にも寄り添います。新生児から100歳を超える高齢者まで、皮膚科医の守備範囲は多領域におよび、医師として一生のライフワークを見つけることが容易な、とても魅力的な学問なのです。 当教室は、難治性免疫疾患、アレルギー疾患、悪性腫瘍を診療・研究の中心に位置づけています。免疫疾患では、特に膠原病(強皮症、皮膚筋炎、エリテマトーデス、血管炎)や乾癬、自己免疫性水疱症を中心に多くの患者紹介を受けて専門的診療を行っており、さらなる病態解明や治療法開発のために積極的な研究も行っています。アレルギー疾患では、特に、専門性の高い重症薬疹(Stevens-Johnson 症候群や中毒性表皮壊死症)の診療は歴史的に県内有数の施設です。さらに近年新規治療薬の開発が進むアトピー性皮膚炎や難治性蕁麻疹においても専門的加療や研究を行っています。悪性腫瘍では、悪性黒色腫や乳房外Paget病などを中心に数多くの手術療法、さらに免疫チェックポイント阻害薬などを用いた薬剤療法、放射線療法など高度集学的医療を行っています。
皮膚科専攻医として教室に所属すると、まずは皮膚科専門医取得を目指して大学病院や関連病院で専攻医生活が始まります。当教室は、診療している疾患領域が幅広く、それぞれの専門性も高いので、幅広く充実した研修を受けることができます。大学と関連病院は密に連携しており、民主的な人事運営により1-2年単位で異動しながら研修を行います。皮膚科医として高度な臨床能力を育むためには、初期の頃から本質的思考を育むことが重要です。人体の不思議は数多くありますが、この現象は“何故”なのか、その病態はどうなっているのか、など患者さんから学ぶことは数多くあります。しっかりと“考える姿勢”を大事にした教育を行いたいと思っています。その思考がいずれ医学の発展に大きく貢献するかもしれません。
当科では、大学院進学、国内外留学、国内外との共同研究など、積極的に推進しています。教員や大学院生はもちろんのこと、若手のうちから臨床研究にも参加し、教員と一緒に研究の楽しさを感じましょう。大学院生活では、研究の苦しみ、楽しみ、新たな発見の喜びを実感しましょう。国際学会などにも積極的に参加して、視野を広げましょう、留学して、国際的視野で医学の発展に貢献しましょう。個々の先生方がそれぞれ輝くように、教室はできる限りサポートします。
医師の働き方改革は重要です。力をつけるために頑張るべき時期というものはありますが、長い医師人生、継続できなければ仕方ありません。当科には、出産・育児を経て、常勤医として復帰し生き生きと働く数多くの先輩医師がいます。男性医師も育休をとっています。仕事に性別は関係なく、それぞれの家庭環境は様々ですので、長い医師のキャリアプランの中で継続していく意思と根性、仲間を思いやる心さえあれば、様々なサポート体制があります。発展できる組織には色々な意味でのダイバーシティが必要であると考えています。
医師として年数を重ねても、どの段階でもまだまだ学ぶことがあります。医師としての自己研鑽は楽しいものです。当教室は、医療人として想像力の豊かな方、前向きで意欲的な方、努力家の方、国際的に活躍したい方、仲間を尊重でき思いやりのある方、などを積極的に受け入れ、個々を育て、さらに団結した組織として強く輝き、社会貢献につながることを目指しています。当教室に興味を持って下さった先生は、是非見学などにいらしてください。
横浜市立大学医学部 皮膚科学教室 主任教授 山口由衣
主任教授・研究室長H12卒
学部講師H16卒
学部講師H19卒
学部助教H18卒
病院助教 医局長H20卒
学部助教H24卒
病院助教H21卒
学部助教H26卒
病院助教H26卒
指導診療医H27卒
専攻医H30卒
専攻医R2卒
専攻医R3卒
専攻医R3卒
専攻医R4卒
大学院4年(博士)H24卒
大学院4年(博士)H28卒
大学院3年(博士)H31卒
大学院3年(博士)H31卒
大学院3年(博士)H28卒
大学院2年(博士)H24卒
大学院2年(博士)H28卒
大学院2年(博士)H29卒
大学院1年(博士)H30卒
講師(皮膚科部長)H16卒
助教H17卒
指導診療医H25卒
専攻医H30卒
専攻医R4卒