研究内容

研究概要

“臨床に還元できる研究を目指して”
皮膚は外界と接する最大の臓器です。そして、活発な免疫活動の舞台です。
横浜市立大学皮膚科学教室では、歴史的に、薬疹、アレルギー、自己免疫疾患などの皮膚免疫疾患を専門として積極的な研究活動を行ってきました。悪性腫瘍においても神奈川県における中心的な基幹病院として機能しています。疾患の予防、病態解明、難治性疾患の新規治療法開発を目指して、最終的には臨床の場で患者さんに還元できる研究を最優先の課題としています。
主要研究テーマ(例)
1.薬剤アレルギーの病態解明と重症化予防
2.食物アレルギーの病態研究
3.強皮症などの線維化疾患の病態解明と新規治療法開発
4.皮膚筋炎の自己抗体とHLAの解析
5.乾癬の慢性化メカニズムの解明と新規治療法開発
6.乾癬とメタボリックシンドローム・動脈硬化の病態研究

手術写真
研究写真

研究テーマ

・アトピー性皮膚炎に関する研究

新規治療薬による病態や疾患関連因子への影響を解析し、バイオマーカーの探索を行っています。

・薬疹に関する研究

Stevens-Johnson症候群、中毒性表皮壊死症(TEN)、薬剤性過敏症症候群などの重症薬疹の疫学調査および遺伝学的解析や免疫学的な解析による病態解明を行っています。また、免疫チェックポイント阻害薬やサイトカイン阻害薬などの分子標的薬による薬剤性皮膚障害の病態解明と重症化予測のためのバイオマーカーの開発および治療研究を進めています。

・食物アレルギーに関する研究

口腔アレルギー症候群、蕁麻疹・アナフィラキシー、食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)の患者血清を用いて、新規食物アレルゲンの同定ならびに、アレルゲンコンポーネントの解析を行っています。
また、アスピリンなど種々の薬剤が、食物による蕁麻疹やFDEIAの症状発現に及ぼす影響について研究しています。

・蕁麻疹に関する研究

蕁麻疹専門機関の国際認証Urticaria Center of Reference and Excellenceを受けた機関が協力して行う国際共同研究に参加しています。
蕁麻疹の自然歴や診療の課題などを明らかにする疫学調査を行っています。

・乾癬に関する研究

乾癬における治療の進歩が目覚ましい時代を迎えていますが、これは基礎研究の成果の賜物です。
乾癬ではTh17細胞や自然リンパ球などの免疫細胞と表皮細胞のクロストークにより、その病態が形成されると考えられていますが、その慢性化メカニズムなどすべてが明らかになっている訳ではありません。また、付着部炎などの乾癬性関節炎やメタボリック症候群との関連なども臨床的には非常に興味深い分野です。我々は、このような乾癬病態の慢性化メカニズムに関与する因子の同定と、その分子を標的とした新規治療法開発を目指しています。また、メタボリックシンドロームや動脈硬化などの併存症との関連因子を免疫学的に研究することで、患者さんにとってより良い長期的予後を目指した研究を行っています。

・膠原病・血管炎に関する研究

当科における膠原病診療・研究の歴史は古く、エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎、血管炎をはじめとして、多くの患者さんを診療しています。
全身性強皮症は、皮膚や肺などの線維化および血管障害を引き起こす難治性病態で、現時点においても有効な治療法に乏しい疾患です。当科では、細胞外マトリックスや単球・マクロファージ系細胞に着目し、強皮症の難治性病態解明と新規治療法開発に積極的に取り組んでいます。国内外の強皮症研究の盛んな主要大学との共同研究も積極的に行っており、大学院卒業後はこれら施設にポスドクとして留学も斡旋しています。皮膚筋炎においては、自己抗体の観点から、臨床経過や治療に大きく影響を与える因子について臨床・基礎研究を行っています。膠原病・血管炎の臨床・研究は、多くの診療科が関与する疾患であり、臨床・基礎研究においても、診療科を超えた共同研究が病態の正しい把握、新たな発展につながります。院内および国内外の主要施設との協力体制を大切に、共同研究も複数進行中です。

・自己免疫性水疱症に関する研究

従来のステロイド療法に加え、免疫抑制剤による治療や、エンドキサンパルス療法、大量免疫グロブリン療法、血漿交換療法、さらには院内先進医療であるリツキサンによる治療などの集学的治療を行い、患者背景と治療による抗体価の推移や重症度の推移の関係をみることで、最適な治療を選択するための臨床研究を進めています。

・腫瘍に関する研究

悪性黒色腫の薬物治療の概念はこの数年、大きく変化しています。病型、原発部位、遺伝子変異率などが個々の患者さんで大きく異なるため、それぞれの患者さんにあった効果的な治療の進め方と副作用のマネージメントが望まれます。当科では手術の加えて免疫チェックポイント阻害剤や低分子性分子標的薬を組み合わせたより効果的な併用療法の確立とAdjuvant環境の整備をめざした臨床研究を進めています。他の皮膚悪性腫瘍においても、診断・外科的切除・薬物療法・放射線療法の一貫した集学的治療の標準化を目指した臨床研究をしています。

研究風景01
研究風景02

実績 各年度をクリックするとPDFがDLされます。

AMED 分子標的薬による皮膚障害データベース

AMED 分子標的薬による
皮膚障害データベース